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投稿実験レポートNo.190
肛門からお酒




投稿文章

肛門から浣腸器で酒を注入したら酔うことが出来るのか?

 あまりにも気になるので自分の体で実験してみることにした。

 理想を言うと、たとえば飲み会の形で、何人も順繰りに浣腸器を挿し込み、

「イッキ、イッキ」
とか言いながら大勢で騒ぎたかったのだが、賛同者がいなかったので諦めた。


浣腸器は河原町の薬局で購入した。
はじめ、医学部生のMくんから借りようと思ったのだが、Mくんの彼女のKさんが、

「それさぁ、使ったあとで返してもらっても、壁にかけておくのがイヤなんだけど」
 と釘を刺す。
 このふたりは変態なので、壁に浣腸器を飾っているのだ。
「いいじゃん。そこにずっと僕がいるみたいで」
「イヤ。最悪
と言うので、借りるのは断念した。

 河原町で買った浣腸器は1600円。35mlくらいまで注入できるやつ。
 Mくんのはゴム製だったが、こちらはガラス製。
 もし先っぽが折れてしまったら、肛門から大出血だ!
 気をつけて使わなくてはなるまい。

 ちなみにMくんの浣腸器は“エネマシリンジ”といって、本来は鼻を洗浄するための医療器具。
 それを浣腸器に転用しているのであった。

 酒は、韓国人の知り合いからもらったJINROを使うことにした。
 ひとくち飲んで賞味済み。味に問題なしである。

 協力者として、Sちゃんに依頼する。
 それほど乗り気でないようだったが、強引にお願いした
 はじめ、部屋でブルーシートを敷いて行なおうかとも思ったが、
 うんこが飛び出した場合、そう綺麗に平面に落ち着いてもらえるとは限らない。
 かなり粘性の低い物体であるからして、落ちた場所から横に広がり、ブルーシートの外にはみだしてしまう可能性がある。
 よって、風呂場で行なうことにした。


 前のめりになって、ケツを突き出す。

「じゃぁ、入れるよー」
 と、ためらいがちのSちゃんだったが、容赦なく肛門に浣腸器の先っぽを突き立ててくれた

 すり傷に水がしみた時のような痛み。
 まさに、「JNIROを肛門から注入したらこんな感じだろうな」的な刺激である。
 だがやがてそれも収まり、続いて腹の奥の方に、手で押さえたくなるような鈍い不快感。
 不思議なことに肛門周辺ではなく、だいぶ上のあたりでそれを感じる。

入ってる?
 とSちゃんに尋ねると、
入ってる。すごいゆっくり入れてるよ。今、25」

 はじめに30ml入れてあるから、5ml注入したということか。
 JINRO5mlじゃぁさすがに酔わないな。
 だが、ここで腹のあたりにかなりの痛み。
 それ以上押し込んだら、ぐわーっと吐き出してしまいそうだ。止めてもらう。

「いつもこんな実験してるの?」
「うん」
バカじゃない?
 前のめりになってケツを突き出している僕は何も言えない。

 そのままじっとしていると、うんこしたい気持ちはやがて消える。
 しかしまだ若干、腹に痛み。
 酔いは・・・まったく無し。

 がまんがまん。間隔をあけて、ゆっくりゆっくり押し込んでいくべきだろう。
 そしたらうんこをもらすことなく、かなりの量のアルコールを体内に注入できると思われる。

 しばらく便器に座ってじっとしていて、数分たってから、再注入を頼む。
 Sちゃんには、うんこが飛び散った時に備えて僕のオーバーオールを着てもらっている。

「また、5だけお願いね」
「はぁい。行くよ」
 浣腸器が刺さる。
 今度はなぜか、焼け付くようなすり傷の痛みが無く、その上、もたれる感も来ない。
「5、行ったよ」
「もっと行ける。あと、5」
「はい・・・・・・はぁい」
「まだ行けるな。もう、5・・・ああ、もうそれくらいで」
バカだな、本当にバカだよ」としきりにけなされる。

 外に流れ出てしまっているのではないかと不安になるくらい、すんなりとした入り方。
 浣腸器を抜いて、姿勢を正すと、やはりそれなりに腹がもたれた。
 下痢の時、すべて出しきった後でなお便意がある時のような感じ。

 浣腸器に残っているJINROは現在、5ml。
 すでに25mlほど注入したことになる。すげぇ。まだまだ入るのか?。
 次第に怖くなってくる。だが、酔いは全然感じない。
 まぁJINRO25mlなら、経口でも酔わないだろうしな。
 がんがん行かなくちゃなるまい。200mlくらい。

「じゃぁ、またお願い。今度は15」
 浣腸器を再充填し、25mlほど入れてある。
「はい」と、突き刺す。
 今度はなんだか、ヒリヒリするぞ。初めの時と同じように。
 これは浣腸器を挿し込む深さの問題では、とふと思って、
「もうちょっと深くお願い。あ、でも、あんま深くしないで!」
「15、行ったよ」
「まだ行けるな。もう5」
「はい」
「まだ行ける。もう5!」
「全部だよ」
「うん、全部入れて」

 25ml全部入ってしまうとは‥‥。慣れると、かなり楽に入るもんだな。
 現在、体の中に50ml前後。

 Sちゃん、そろそろ単調な作業に退屈を感じ始めた様子。

「つまんないよー」
君もやったらいいのに
それはやめとく

 直腸を酒で満たしたまま歩き回っても、全然平気なのが意外だ。
 酔いが無いのはもちろんだが、お腹の調子もすこぶる問題ない。
 病院とかで行なう浣腸って、だいたいどれくらい流し込むと
 噴出が始まるものなのか、聞いておくべきだった。

「じゃぁ、次はこれ全部」と、30ml入った浣腸器を差し出す。

「行くよ」
 そのまま沈黙するSちゃん。
「・・・入ってる?」
 僕は心配そうに尋ねる。
「入ってる」
「・・・今、どれくらい?」
「15」
「・・・そう」
「・・・今、20。大丈夫?」
「うん」
 もう何も感じない。神聖な気分だ。
 腹がごろごろ鳴り出しているのが聞こえる。
 注入を終え、浣腸器を抜いて姿勢を正すと、少し眩暈めまいがした。
 この眩暈が、はたしてアルコールから来ているのか、
 それとも腹の奥の異物感から来ているのかは分からない。
 お腹はかなり痛い。さっきから、下痢を我慢している人の気分だ。
 まるで宇宙空間の中を漂っているかのよう

 そろそろ腸の方も限界っぽいということで、作戦の変更を行なう。
 とは言っても、JINROのかわりにSMIRNOFFを使おうというだけだが。
 こちらはアルコール分40%。腸の内壁には良くなさそうだが、
 JINROの22%に耐えた直腸である。たぶん、いけるだろう。
 40%ということは、その分は腸の内壁から吸収されてしまうわけで、
 逆にJINROより腸に負担が少ないかも知れない。ちゃんぽんは悪酔いするというが、望むところだ。

「いくよー」
とSちゃん。
「おう」
「今、20!」
 容赦なく流し込む。肛門のヒリヒリ感もさっきの2倍近くだ。
 腸の調子は・・・いかん。さーっと血の気が引いていきそうな気分。
 まずい。
 もう一回注入したらヤバイなと、直感で分かる。

 ふと、喉の奥で酒臭いものを感じたような気がして、Sちゃんに、

「なぁなぁ。僕の息の匂い、嗅いでみて。酒くさい?」
 はーっと吐き掛けたら、
「ううん、全然」
 と首を横に振られた。

 さっきから、顔の血が落っこちて行くような気がしている
 酔うどころの騒ぎではない。
 もし仮に僕がこれで死んだら、母親は泣くだろうな。
 今日はたまたま母の日だ。
 母の日に息子がケツの穴に酒を浣腸して死んだら、泣くだろうな

 酔いがまわってくるか、腹のむかむか感がおさまってくれるのを待つ。
 このままもう一回注入したら、うんこをもらしてしまうだろう。
 そうしたら実験は失敗だ。

 やがて頃合を見て、SMIRNOFFの2回目。
 肛門に焼けるような痛み。この痛みは、アルコール分40%×浣腸器の挿入が浅いことだと分析。
 少しこぼれて、風呂場にぷーんとウォッカの香り。
 Sちゃんと話していても、さーっと意識が遠くなる感覚。

 それにしても何なんだろう、吐く息が酒臭く感じられるのは?。
 血中のアルコール濃度が上がって、胃や肺から蒸散しているのだろうか?。

 尿意を催し、おしっこしたが、かなり緊張してしまい、そろりそろりと放尿した。
 一緒に肛門の括約筋も弱まってしまいそうな気がしたのだ。
 やってみたら実際、うんこもらしてしまいそうだったので、ちょっとだけでやめにした。

 やがて便意がやってくる。
 ふつーの、日常的な便意である。
 ふつーにうんこしたい。アルコールだからどう、とかじゃない、単純な便意。
 うんこが体の中にある。
 じっと耐えていたら収まるかと思いきや、そんなことは全然ない。
 ひたすらに便意は増して行く。
 普段のうんこ我慢と同じ不快感が、広がって行く。

 だが僕はお腹を押さえ、

もう一回
とお願いする。

 Sちゃんが浣腸器を持って僕の尻の側にまわる。ヒリヒリ感が無いので、

「入ってる?」
 と尋ねると、
「なんかね、注射器が動かないの」
「え?・・・あ。なるほど、分かった」
 括約筋でうんこを押さえ込んでいるから、入るわけがないのだ
 だが僕は、「じゃぁ、がんばって」と励ます。
 無理に押し込んでもらうと、何とか突き刺さった。
 35ml入っていくのが、あっというまに感じられる。
「今、25・・・全部入れちゃうよ」
 おいおい、押し込むペース、速くなっていないか?。
 結局、35mlはすんなり入って・・・。

 僕の腸の中には今、合計100ml近いアルコールが入っているかと思うと、
 なにやら神妙な気分。お腹をさすると、心なしか水ぼったい。
 そして時たまやってくる、刺すような便意。
 まさに下痢の時と同じように、忘れた頃にやってくる。
 僕はそれを強引に押さえつけて立っている。
 そんな状態でも、便器に座っている間は不思議と落ち着くのだ。
 いつぶっぱなしても大丈夫という安心感が、そうさせるのだろう。
 ところで鼻の粘膜は明らかに酒の匂いを感じている。
 鼻腔が、吐く息の中に確かにアルコールが含まれていることを教えていた。
 やはり血液中をまわっているのだ。
 はたしてこの状態のまま車を運転したら、飲酒運転になるのだろうか?。
 法律の条文はどうなっているのか?。
 ケツの穴から酒を注入することは、“飲酒”になるのか?。

「Sちゃーん、何してるの?」
 と、言いながらトイレを出たが、歩くと本当にやばい。
 そして、それは突然やってきた。
 おもわずトイレに駆け込んで、便器の上に飛び乗る。

 まるで水鉄砲のような噴出
 茶色と透明が交互に混ざり合ったような液体を、股の間に見た。
 量は・・・思ったより少ない。数十mlといったところか。
 しまった。計量カップで量ってみるべきだった

 噴出が終わった後の便器の匂いを嗅ぐと・・・
 何の匂いもしなかった。いつもの便器の匂いだ。
 アルコールとうんこの匂いが打ち消しあったのか、
 あるいはアルコールがすべて腸の内壁から吸収されて、
 水しか残らなかったのか。
 さすがに舐めて確かめることはしなかったが・・・

 暴発の結果、お腹は途端に楽になった。
 異物感はまだ残っていたが、たいしたものではない。
 僕は思う。

「(これならまだまだ注入できるな・・・)」
 だが、それでは真にエンドレスだ。
 実験は、ここまでにしておくべきだろう。
 なにごとかを成し遂げた満足感にひたりながら、
 僕はずっと便器の上に座っていた・・・。

 その後、Sちゃんも僕の吐く息は酒臭いということを認めてくれて、直腸からもアルコールが吸収されることが実証された。

 なお、下痢のような便意は夜更けまで残り、僕は何度も便器に座り込んで苦しんだ。


 肛門から酒を飲むことのメリットといえば、つまみを食べまくっても酔いが弱まらないことくらいだろうか。
 結論は、

「これだけの苦労をしてまでケツから酒を飲む必要は無い」

 といったところであろう。


管理者の意見,感想

 この実験レポートをまじめに校正、清書しているとき、ふっと我に返った。
「なにやってるんだろう、俺」
 と、一瞬悲しくなった。
 しかし、それと同時に、「面白いことやられてる、なんか悔しい!」とライバル心を燃やしてる自分もあったりして‥‥。
 これって正常なんでしょうか?

by 神楽坂博


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