12月28日 (実験前夜)
明日からいよいよ実験開始なのでありったけのご飯を詰め込む。
忘年会の席上なのでお酒も入る。
12月29日 0:00 (実験スタート)
まだ酔いから覚めてない。
だからこの後に来る恐怖の現実もいざ知らず。
同日 11:00
目がさめる。
「あーよく寝た」と思いつつ思わず牛乳パックに手をやって、「ハッ」と気づく。
「そうそう断食してるんや」
同日 18:00
さすがに腹がへってきた。でも我慢。
しかしこの瞬間から一抹の不安がよぎる…。
「今から腹へってたらやばいんじゃないの」
普通の人なら当然のごとくお腹がへる事を考えられなかった。
12月30日 未明
普通には寝られたが浅い眠りのような感じで何度か目を覚ます。
同日 12:00
家族が昼食を取っている。別室にいる私にもにおいが伝わってきたがなぜか食欲が起こらない。
お腹がへりすぎると逆に食欲減退がおこることは良く聞いているがまさにその通りだと思った。
12月31日 夜
この時間帯は紅白などがやっていたが何もしたくない気持ちが前面に出ててベットの中でひたすら寝ていた。
ここまでに生命維持のために水は飲んでいたが半分ほどなくなっていた。
元日 10:00
気がついたら
よだれを出しながら寝ていた。
夢もハッキリ食べている夢しか見ていない。
この頃になると
お腹がたまに痛くなってくる。そのために水が不可欠になってしまった。
気を紛らわすためにTVでもと思ったが
おせち料理番組がやっていたのですぐ消した。
頭の中で考える事も1つしかなく、
「何でもいいから口の中に放り込みたい」
と無心に思っていた。
もしこのときにドッグフードを与えられていたら
間違い無くむさぼり食べていた事でしょう。
同日 19:00
とにかくひたすら
寝ていた。あと1日程度頑張ればいいんだなと
気力でふんばっていた。
ふと気づく。
「ドロンズなどは食べてない上に動いていたよなぁ」
…彼らの偉大さが身にしみた。
1月2日 1:00
実験開始から4日過ぎた。
立ちあがろうとすると体が鉛のように重たい。椅子に座るのがやっとで気力もうせていた。
「何のためにこんな事してるんだろう」
むなしさがいっぱいに広がっている。
ふとそこで机の脇にある仕事かばんに目を取られた。
そして…
「しまったぁ、残業をやらねばいけなかったんだ」
そう、年末に終われなかったのは休み中に行おうと、いわゆる「宿題」を持ってきてたのだ。
休みは1月3日まで。
あと1日しかない!
てなわけで
実験急遽終了。だって仕事のほうが当然大事じゃん?と、
自分に説得させていよいよ4日ぶりに食物とご対面。
しかし夜中なので料理なんてあるわけない。それではと、カロリーメイトがあったので恐る恐るかぶりつく。
「めっちゃうめぇ〜〜〜〜〜!!!」
箱に入っていたのは4本だったけど1分以内に消えてしまった。
まさにピラニア。
カロリーメイトがあそこまで美味しかったなんて。