レポート提出日 | : | 2001年11月16日 |
実験日 | : | 1996年秋頃 |
レポート作成者 | : | 本条 恵 |
作成者のHP | : | Singles cafe |
しかし、何をトチ狂ったのか男は私に交際を申し込んできたのである。
おたおたと、しかしやんわりきっぱり辞退させていただいた私だったが、それをきっかけに(なのか元からそういう趣味がおありだったのかはわからないが)男は道を踏み外してしまうのであった。
ご愁傷様。
それからというもの、ホームで待ち伏せされる(声を掛けたりするわけではなく、ただ待っている)、車内ではジトジトとした視線が送られる、ニヤつかれる、などなどの日々が始まった。
直接何かされているわけではないが、あまり気持ちのいいものでもない。
当時(1996年)はまだ『ストーカー』という言葉・現象がそれほどメジャーではなかったせいもあって、警察に相談しても、
…ええい、こうなったらせめて自力で男の身元を明かしてやるまでだ!
毎朝規則正しく私服でストーキングに励む男のことだ、所属している大学・予備校くらいなら簡単に調べられるはず。
やってやろうじゃん!
そして数日後。
駅のホームには再び、私・男・調査員2の姿があった。
前回同様電車に乗り込む3人、それぞれの思惑をのせて動き出す電車、程なく学校の最寄り駅で下車する私。
…数時間後、調査員2からの報告が上がってきた。
とはいえ、このままではあまりに目立つので、私+2,3名(以降『調査隊A』とする)と、その他大勢(以降『調査隊B』とする)とに集団を二分割し、調査隊Bは他人を装いながら調査隊Aの隣の車両に乗り込むことになった。
そしてホームに男登場。
電車に乗り込む一同、素知らぬ顔で動き出す電車。
絶えず私から半径1〜2mほどのポジショニングを心がける男と、
そうして残りの休日をエンジョイすることになった調査隊であった。
しかし話はこれで終わらない。
翌日。
こうして男の所属は割れたものの、以降それ以上の追跡を行うこともなく(妙な達成感を得て、もうどうでもよくなってしまった)、男も懲りることなくストーキングを続け、やがて私の卒業に伴って全てが闇に葬り去られたのであった。
後日談として、翌年某W大学を受験したT君はその後2年ほど代ゼミの住人となるのであるが、とりあえず今回の話とは関係ない。
と思う。たぶん。
んー、このストーカーさん、逆切れするタイプでなくてよかったねー。 by 神楽坂博
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