●序章

　俺は新宿で飲むことが多い。いや、正確にはほとんど毎日飲んでいたのだけど。。。
　飲み会が終わった後、早く終わったりするとカラオケに行くことが多い。
　でも、毎日カラオケに行くわけじゃないけど、とにかく安く済ませたい。

●必要なもの

• 参加者：10名
• お金（1000〜2000円）

●実験

　金曜日の夜９時、１次回を無難に普通の飲み会で終わらせて、「２次会カラオケ行くぞ！」、と号令を掛け、歌舞伎町のコマ劇場近辺に移動。
　とそこで、カラオケ７４７の店員に声を掛ける。

俺	「今いくら？」
店員	「1400円で１時間飲み放題」

　予想通り、値切りも何もしていない定価を言ってきた。
　しかもこの場合は、ビール・日本酒・ウィスキーは含まれない。

俺	「じゃ〜いいわ」
店員	「ちょ〜と待って下さい！」

　「来た！」、と心の中で微笑む俺。

俺	「なに？」
店員	「分かりました。これにビール・日本酒・ウィスキーなんでも飲み放題で１時間1400円」
俺	「論外だからいいわ」
店員	「お幾らならいいのでしょうか？」
俺	「２時間半で飲み放題で１人1500円。もちろん飲み物全種類で乾き物1皿付けて」

※分からない人が多いと思うので説明。
　金曜日・土曜日・日曜日・祝日は通常100円〜200円割増が相場。
　この時点での交渉はかなりむちゃくちゃなことを言っているのは自分でも分かってる。

店員	「そ〜れはちょっと無理ですね」
俺	「あっそ。じゃ〜いいや」

　と、その場を去り、友人たちの元へ行く。
　その後ろから別のカラオケＢＯＸの店員が交渉が失敗したのを見て追いかけてくる（ＴＯＫＩＯの城嶋似）。

店員Ｂ	「分カラオケお探しで？」
俺	「そうなんですよ」
店員Ｂ	「ご予算は？」
俺	「1人1500円」
店員Ｂ	「人数は？」
俺	「15人」

　この時点で、城嶋の顔が引きつっていた。

俺	「で、君のところはいくら？」
店員Ｂ	「え〜っとですね、２時間2000円で飲み放題」
俺	「ビールとかは？」
店員Ｂ	「え〜っと申し訳ないのですが、ついてないんですよ・・・」
俺	「じゃ〜いいわ」

　とそのとき、友達が合流。

友達Ａ	「決まった？」
俺	「まだ」
友達Ａ	「そこいくらだって？」
俺	「論外」
店員Ｂ	「わかりました！２時間2000円飲み放題でビール類一切付けます」
俺	「それに、乾き物１皿＆時間は２時間半で、さらに・・・消費税カットね」

　さらに引きつった顔。

店員Ｂ	「え〜っとですね、それはちょっと無理ですよ。この辺の相場は・・・」
俺	「相場なんか知ってるよ」
店員Ｂ	「さっきのお店はいくらだったんですか？」
俺	「2200円で同じことやってくれるって、最低2000円じゃないと嫌だって言ってきた」
店員Ｂ	「そうですか。。。ちょっとお待ち下さい」

　どこかに電話する城嶋似。

店員Ｂ	「ハイハイ、わかりました、えぇそうですね・・・」

　どうやら店長と話してるようだ。

店員Ｂ	「その条件でＯＫです。」

　ニヤッ！っと微笑む俺。

●実験

　結局その日は、

• 金曜日夜に15人
• １人２時間半
• 乾き物付
• 飲み放題（ビール・日本酒・ウィスキーＯＫ）
• パーティールーム
• 2000円（消費税カット）

で成立しました。

　これを見た人の中には『高い』と思う人もいるでしょうけど、金曜日の歌舞伎町なので、相場より1000円近いサービスではないかと思います。

　ちなみに、オールナイトの方がもっと値切れるものなんですよ。
　今までの最高記録で、

• オールナイト
• 土曜日に20人
• パーティールーム２部屋
• 乾き物４皿付
• 飲み放題（ビール・日本酒・ウィスキーＯＫ）
• １人1500円（消費税カット）

　です。ちなみに場所は、チルコポルトの隣の７４７。

　やろうと思っている方は、とりあえずむちゃくちゃな値段を吹っかけてみて下さい。
　そのあとあっさりと去って下さい。
　それを見ている別の店が絶対に居ます。

　店のお兄ちゃんは絶対に追いかけてくることが出来ません。
　歌舞伎町あたりあのへんは立ち位置一つで縄張りがちゃんと存在するので、強引に追いかけることが出来ないのです。
　それと複数の店で交渉を行なう場合、「他の店と交渉されていますか？」と聞かれることが有るので、とりあえず「ない」と答えておいて下さい。

　案外カラオケ屋も不況で、歌舞伎町あたりは大手の店に取られてしまうので、弱小店舗は必死みたいです。

値切りの基本は、とにかく強気に出ること。 　少しでも弱気を見せたら、相手はなかなか値引きに応じてくれません。 　もとより、交渉を成立させる気は捨てましょう。 by 神楽坂博