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投稿実験レポートNo.042
2週間を1,049円で過ごそう!




投稿文章

「やってもうたぁ。今月どうしよぉ・・・」

 思わずそんな呟き声を漏らしてしまった俺。
 本当にどうするんだろ。

 まず最初に俺の軽い自己紹介を。
 まいっ太。30歳独身。
 趣味は読書・パソコン・ゲーム・音楽・料理等のインドア人間。パソコン歴はパピコン以来。通信暦は最初のモデムが1200ボーで判ってくれると思う。
 そういう俺の最近のパソコンの使い方といえば、インターネット通販(本・CD・ゲーム・食材)が主流を占めている。特に本は俺の場合、暇が無くても1日1冊以上、休みともなれば5冊以上は読破するため、古本を含めて3万円以上買っている。
 当然支払いはクレジットカード決済な訳だが、インターネット通販業者という奴、中にはいい加減な業者もあって、支払いが遅れて思ってもみなかった月に支払い、となることも珍しくない。

 今回の俺が喰らったのもその例。
 その古本業者は支払いについてはルーズだけど、他では手に入りにくい古本がゴロゴロしているのでよく利用している。
 ところがこの業者、支払請求が遅れに遅れて3か月分、まとめてカード請求してしまったことが今回の主たる原因。併せて7万円!!
 他のも併せて10万円を超えてしまったからさぁ大変。件の業者には苦情を入れて平謝りに謝られたけど、謝られても請求額が変わるわけじゃない。
 他に正月付近ということもあり、仕事が入って帰省できない予定だったので、お年玉なんかを実家まで送ったりして、手元に残っていたのは、

1,049円
だけだった。
 定期をおろすのも馬鹿らしいし、誰かに借りようかなぁ‥‥と思っていたところ、上司から、
 
「オイまいっ太(当然本名で呼ばれてます)、大晦日・正月の残業無くなったから、ゆっくり休んでくれ。」
 
と今更のように言われたのが26日の事。
 残業に出ると昼飯夕飯が出るので仕方ないなりに期待していたのだが、結局、7,8,9の連休もあって、12月27日から1月9日までの2週間(うちは10日が給料日)、この1,049円で生き延びなければならなくなってしまった。(ちなみに借金については、仕事が忙しくて言い出すのを忘れていて、自宅に帰ってから気付いたという間抜けなオチがついてしまいました)。

 俺の場合、料理をすることも趣味なんで、米やらパスタやら買い置きは十分ある。
 だから、普通に暮らす分には問題が無いが・・・それじゃあ全然面白くない、というウケを取りたがる悪い癖が始まった。(実験を送りたいと思っていたこともあるし)

本当に1,049円だけで生活してやれ!

 てな訳で、しつこいけど1,049円を持って商店街へ。
 お金が無い時は普段から仲良くしているお店に行くのがセオリー。少しはまけてくれるかもしれない。
 てな訳で、商店街へGO!

 普段から俺はスーパーはあまり利用せず、特売以外ではごく普通の小売店を利用している。実際、そっちのほうが新鮮だったりするからだ。
 ちょいと高いけど、こんなピンチの際にはまけてくれたりするからどっちもどっち、五分五分だ。
 スーパーでは、牛乳1リットル128円を2本ゲット。あとは高いのでパス。

 小売店では、とにかく安いものを探しまくる。
 結局手に入れたものは、

 以上合計832円!!、残りは217円。これは使わずにとっておこう。

 買い物を終えて自宅に帰り、調味料等をチェックする。

 本当は米やその他食材たくさんあるけど、それを使うと実験にはならないのでパス
 以上、これらの食材を使って生き抜くぞぉ!!


 それでは、これらの食材を整理してみる。

 これらで作れるものを考えると、難しいものがある。
 和風洋風中華風、いろいろ考えた結果、生き抜くことを前提にして(そんな大げさなもんかい)調理する。

 この中で最も多いものがオカラ10kgもある。
 今、オカラって産業廃棄物扱いだから豆腐屋さんと仲良くなるとタダみたいな値段で分けてくれる
 てな訳で、これは1キロずつ分けて空煎りして、そこに牛乳と水を加え、後はごま油、塩・胡椒・唐辛子で味付けして大量のおからを作る。
 これは主食にして食材となるため、味の濃いものと薄いものを分けて作っておく。

 続いて多いのがパンの耳。
 これは1/3をパン粉にしてしまう。1/3は乾燥させてラスクに。残りは小分けして冷凍。
 これも主食および食材となる。

 ここまでは下準備。続いて各種料理を作っていく。

●ソウルフード・イン・オカラ
 モツを大鍋で煮る。
 水を入れ沸騰すると水を交換。その度にモツは洗って灰汁を取る。
 これを味付けして、食べる前にオカラを団子状にしてパン粉をつけてフライにしたものを入れて完成。
 (本来ソウルフードは豆とモツで作った黒人料理。豆をオカラで代用したもの)

●モツフライ
 ソウルフードを作る途中で一部を取り分け、これにパン粉(小麦粉の代用)・塩・胡椒・唐辛子・ニンニクをすりおろしたものを混ぜた衣をつけてフライにする。

●鳥皮の酢の物
 裏の油を取った鳥皮を軽くボイルした後、氷水できっちり冷やす。その後短冊に切って三杯酢で和えれば完成。
 上に空煎りした黒ごまをかけて食べる。

●オカラ焼き
 おからに小麦粉・水を混ぜ、そこに取り分けたモツを混ぜて円盤状に焼く。
 その上にソース・マヨネーズ・唐辛子をかけて完成。

●牛の骨髄ニンニクスープ
 ニンニクをスライスして、オリーブオイルで炒める。
 牛肉の背骨は鍋に入る程度に切って圧力鍋に入れる。
 圧力鍋で蒸した背骨から骨髄を取り出し、これを一口大に切り、軽くソテーして先程のニンニクと一緒に水の中に入れ、煮て塩コショウを加える。

●パンカユ
 パンの耳を水に浸し、ザラメを足して煮る。
 (本来、牛乳で煮るんだけど、牛乳はおからで使い切っちゃったので水で代用)

●ニセピザ
 パンの耳を水に浸し、そこに小麦粉を少し加え、かき混ぜドロドロにする。
 これをオーブンで軽く焼いて、その上にチーズを載せ塩コショウ、ケチャップをたっぷり塗る。
 以上料理完成!!

 これらを組み合わせて食べていった訳ですが、鳥皮の酢の物や骨髄スープはあっという間に無くなり(教訓:美味しいからってそればっかり食べてりゃ無くなります。計画的に食べましょう)、最後の5日間はニセピザ・パンカユ・おから焼き・ラスク・おからといったおからと食パンのみが残ってしまいました。後はニンニクが少々のみ。
 てなわけで、最終手段は

●単純スープ
 ニンニクを1かけら、水をカップ4杯入れて沸騰させる。
 沸騰したら味付けして、そこにおからを味付けして丸めてフライにしたものやラスクを砕いたものを浮かべて完成。

 これを1食1杯。一日ごとに味を変えていき、少しでも飽きない工夫をする。
 味をうんぬん言うよりも、精神的に飽きているのは明白。しかし、どうしようもないので食う。
   だが、ひとつ思い出したことがある。

金余ってるじゃん!

 てなわけで、残っていた217円持って買い物に行く。
 しかし、217円では買えるものは限られている。結局、1パック98円の卵(Mサイズ)を2パック買って帰る。
 これで食生活が豊かになった
 私はうれしい。

 卵は1パック10個で計20個ある。
 1日4個も使える!。
 おから焼きに混ぜたりして食べましょう。
 卵1個がこんなに贅沢な味なんて初めて知った
 美味しいよぉ!


 てな訳で(ずいぶんはしょってますが)1月9日になりました。
 仕事が始まってみると、みんなにびっくりされる。

『休みだからってダイエットした?ずいぶんやせたなぁ』

 そう、ローカロリーのおからが食の中心だったおいらは、10日間で5kgも痩せていたのである。まぁ、痩せる前は90kgオーバーというべらぼうな体重だったせいもあるんだが。
 仕事に行ってもらった給料明細を見て、昼休みに早速キャッシュコーナーでお金を降ろし、昼飯に天丼を食う。

『うまい!』

 やっぱりおいらは日本人。
 米が美味い!
 海老の美味しさが身にしみる!!

 ちなみに、アパートには大量のおからが余っていることは心の奥底にしまって、今は天丼の美味しさを堪能しよう。
 あー、日本人に生まれてよかった。

 ちなみに、おからが無くなったのは結局5日後。夕食はおから焼きばっかり食ってました。
 一生分おから食ったような気がします。


●結論
 1日100円程度だから、十分腹いっぱいになって生きていけます。ただし、食生活は偏ってバランスが悪いです。魚系が高くて買えなかったのが痛い。買えても煮干くらいだったろうからなぁ。  ただし、おからは健康食品であるし、またローカロリーな食生活だったんでダイエットにも最適です。
 ただし、昼飯をきっちり食べるようになってから反動がきて3kg戻ってしまいましたが。
 やってみる価値はあるかも!?


管理者の意見,感想

 おぉ、まるで『いきなり黄金伝説』みたい!。
 いや、2週間で1,049円だから、よりローコストな訳ね。さすが!!
 しかし、『実験にならん』って理由だけでお米を放棄するか!?。
 バカよ、まさに実験バカ!。
 みなさん、金欠の時は豆腐屋へGO!

by 神楽坂博


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