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投稿実験レポートNo.023
猿岩石(当時は現役)の旅は本当に可能なのか?
家までヒッチハイク決行!!




投稿文章

●条件

  • 実験日
  • ・・・1994年夏(かなりの猛暑だった)。
  • 場所
  • ・・・神奈川県某所(親戚の家付近)。
  • 用意したもの
  • ・・・自分
    中身が空の財布(泣)
    買ってきたプラモデル(1/100 ウイングガンダム)


    ●実験内容

    「・・・・・・どうしよう???」
     
     その時僕は、死ぬほど後悔していました

     その日親戚の家に来ていた僕は、何故かガンダムが作りたくなり(笑)、慣れない町を繁華街まで歩いて買いに行きました。
     その帰りに「疲れたからバスで帰ろう」などと思ったのが運の尽き。親戚の家の近くの駅に着くはずのバスは、何故か(というか駅の名前間違えただけだけど(笑))正反対の方向に進み(この時点で「おかしいな」とは思ったが、「ま、こういうルートもあるんだろう」と、結局降りなかった)、気が付いたときには親戚の家からどれくらい離れたかすらもわからない全く知らない駅に着いていました。
     しかも、ここまでのバス代で財布はカラ
     はっきりいって、どうしようもない状況でした・・・・・。

     これからの事を考えながら何とか方向感覚を頼りに大きな通りまでまで出たとき、ふとあることを思いつきました。

    「ヒッチハイクしてみたらどうだろう?」

     『そんな事言っている前に交番に行け』という意見も聞こえてきますが、当時の僕は思いついたまま実行していました・・・・・・。

     ここで猿岩石(しつこいようだが当時は現役)なら、目的地を書いた画用紙でも持って道端でアピールするのでしょうが、僕には画用紙すらないので、しょうがないので伝統的ヒッチハイクポーズ(親指を立てるやつね)をしながら歩いていきます・・・・・。

     全く反応しない車。
     ちらりと見るもそのまま走り去っていく車。
     いろんな人がいましたが、止まってくれる車はありません。

     
     「まあ、最初はこんなもんだろう。そのうちなんとかなるさ」
    と思いつつ、めげずに歩きつづけました。

     ・・・・・・しかし、現実は甘くはありませんでした・・・・・・・。
     一時間たっても止まる車は現れません
     この日は猛暑だったので、Tシャツは汗で体に張り付き、絞れるほどになっていました・・・・・。
     当然喉も渇いてましたが、飲み物を買うお金すらありません

     「(・・・・・し・・・死ぬう・・・・・・・・・!)」

     
     そう思いつつ車道を見ると、一台のRVカーに乗った子供が僕のことを指さしていました。
     同時に減速していく車。

     「・・・・こ・・・これはもしや・・・・・!!!!!!」

     
    と思ったのもつかの間、その子供の母親らしき人物が、子供を窓から引き離します。
     同時に加速していく車・・・・・・・・
     ちなみに、減速したのもただの信号待ちでした・・・・・・・・・・。
     きっとこの親子の間では、こんな会話が交わされたのでしょう。
    「ねえねえお母さん、あの変なお兄ちゃん何???」
    「こら、ああいう人を指差しちゃいけません!」
    「え〜、何でえ?????」
    「ああいう人と目を合わせちゃうとね、大抵ろくでも無い事になるの。
     だから今度ああいう人を見かけても、指さしたり目を合わせたり、ましてや挨拶なんかしちゃだめよ!」
    「は〜〜〜〜い!」
     ・・・・・・石投げつけてやろうか?
     一瞬決行しかかりましたが、ただの被害妄想だったことに気が付き、すんででやめました。

     さらにトボトボ歩くこと30分、「もうだめだ」と思っていた時に、またもやRVカーが傍で減速していました。

     
    「(ふふふふ、お前も俺を笑いに来たのかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)」
     
     なんかもう訳判らないテンションで見つめていると、案の定走り去っていきました。
    「(・・・・・・もう嫌だ・・・・・・、交番無いかなあ・・・・・・・)」
     
     諦めムードで一人自嘲していると、なんとさっきの車が横断歩道の所で止まっています。
     
    「(・・・・・・・今度こそ信じて良いんですか?)」
     
     てくてく。
     青になっても走り去りません(ちょっと交通の邪魔)。
     
    「(・・・・・・・信じて良いんですね???)」
     
     横まで来たところで窓が開きました。
     
    運転手「どこまで行くの?」
     
     歩き始めて約一時間半(死ぬほど猛暑)。喜んで運転手さんに今までの事情と目的地を話したのは言うまでもありません。


    ●結果

    運転手の男性「いやあ、道端を見たら真っ赤な顔をした子供が
         すごい汗かきながら手を上げてるんでるんで
         どうしたんだろうって二人で話してたんだよ。
         そしたらヒッチハイクしてるみたいだから」

    助手席の女性「可哀相だから乗せてあげようって話になってねえ」

     どうやら、他人目にみたら死に掛かっていたようです(笑)。
     拾ってくれたのは若いカップル(夫婦?)で、それはもうアツアツYの方々でした。
     クーラーのありがたみをことごとく感じながら詳しい場所を言うと、なんとお二人は行く道とは違うのにわざわざ目的地(親戚の家)まで送ってくれました。

    「(世の中まだまだ捨てたもんじゃない)」
     
     そう思いながら僕は、去っていく二人の車が見えなくなるまでお辞儀をしていました・・・・。


    ●結論

    1. 『世の中まだまだ良い人はいる!!!!』
      あの二人の幸せを今でも祈っています(笑)
       
    2. 『でも大抵は冷たい人』
      子供を窓から引き離す母親(推定)の冷たい眼差しは一生物のトラウマです(笑)。
       
    3. 『夏にやるのはやめましょう』
      死にますよ、実際・・・・・・。
       
    4. 『バスは目的地を確かめてから乗りましょう!!!!!!』
      一生物の教訓です(笑)


    管理者の意見,感想

     ヒッチハイク実験、温あったかくなったら絶対やろうと思ってたけど(しかも長距離)、先越されたなぁ。
     まぁいいか。

     『警察で電話を借りて、親戚のウチに連絡して迎えに来てもらう』とか、『タクシーで帰り、着いてからお金を払う』とかより先に『ヒッチハイク』という方法を思いつくあたり、お金のない学生らしくてGOOD。
     でも、警察に行きたくない理由もわからんでもないな。
     だって実験したの、神奈川県だし。

    by 神楽坂博


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