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投稿実験レポートNo.037
徳島阿波踊りをカブリモノで踊る!




投稿文章

 皆さんは、『阿波踊り』をご存知でしょうか?
 毎年、お盆の頃に徳島で行われるオールナイトダンスフェスティバルです。『♪踊る阿呆〜に観る阿呆〜』で有名。
 けして、風俗店のプレイ名称ではありません。。。

 阿波踊りは、観光客を含めた動員数も、市内だけで100万人以上も集めるというビッグなお祭りです(徳島市人口40万弱)
 そんなビッグなお祭りの中、私は『すだちくん』という、徳島のマスコットキャラのカブリモノをして、数時間(休憩込み)に渡り、踊り歩いた事があります。
 その時のお話。。。


 まず、何故カブリモノをして踊る事になったか。それは、目立ちたかったから以外にありません。
 以前私は徳島で仕事をしていた事がありまして、その職場は毎年阿波踊りに参加していました。
 当時、阿波踊りが2度目だった私は、「何か変わったコトがしたい」と思い、カブリモノを決意し(←短絡)、どうせなら徳島でウケるヤツが良い!と思い、県のマスコットである『すだちくん』をかぶることにしました。
 幸い、徳島県の職員に知り合いが居ましたので、難なく 「すだちくん」変身セット無料で借りる事に成功。

 セット内容は、
  • 頭・・・・・・・・・・直径80cm、重量3kg程度
  • 服・・・・・・・・・・青地のワンピース。胸に大きく『S』の字が!
  • ズボン・・・・・・白タイツ
  • 手袋,靴・・・・ミッキーみたいなヤツ
  • マント・・・・・・・真っ赤っか
 最終的にこの中で使用したのは、頭と白タイツ,手袋,靴だけです。服とマントは踊りに適していないので却下しました(この後、すだちくんに合わせた衣装作りに、職場のお姉さん方は大変だったようです)


 まず、その格好で踊りの練習に参加してみる、、、ウケるウケる。大人50人くらいが練習していましたが、皆が私(というかすだちくん)に夢中でした。この場で「阿波踊りはもらったー」と確信。
 しかし、その後重大な欠点が発覚。。。

 暑い!!

 そう、阿波踊りは夏の風物詩。徳島の夏は夜でも暑い。
 そんな中を、露出ゼロの格好で踊るのは、 無茶を通り越して 危険である。
 私の脳裏に一抹の不安が。。。。

 もう一つ、とんでもない欠点があります。それは、「視界が悪い」です。
 すだちくんの覗き穴は、『口』ですが、一辺が10cm程の三角形に白い薄布を張ったもので、非常に周りが見辛い。
すだちくんの視界
 
図1 こんな感じ

 数多くの不安要素を抱えつつ、「ここまで来たらやったろやないかい」と、踊りに行きました。
 その中で、新たに課せられた使命が。「人前で脱いではイケナイ」「しゃべるな」である。
 ・・・勘弁してくれ〜!

 そして、踊り始め・・・る前から大人気な私(というかすだちくん)。
 周りの人々から、「握手してくださ〜い」や「一緒に写真とって良いですか〜」の黄色い声。中には「サインください」(あるかそんなモン!)の声も。。。
 「芸能人って、こんな感じなんだ〜。」と、ちょっと得意げ(←バカ)
 それにしても、女の人の声は聞こえるけど顔が全く見えないのね。視界が悪いから。
 先輩が「今の娘、可愛かったでぇ〜」と言ったりしたが、確認できず。
 かなりクヤシイ。。

 さて、いよいよ本番。
 踊りだす私(すだちくん)。
 100人ほどの団体で踊りましたが、一番前の真ん中をGET!。
 阿波踊りの会場には桟敷さじきと言われる観覧席があり、そこにはアナウンスの紹介が入ります。

「次に踊りこんで参りますのは〜××××連です〜。すだちくんを先頭に〜踊りこんで参りました〜。」

のアナウンスと共に、「すだちく〜ん」の歓声。コレはかなり気持ち良かった。歓声に応えながら踊る私(←調子乗り)

 その場を踊り終わった後、また観光客に囲まれる私(というかすだちくん)。だいぶ疲れているので、「今度はマジで勘弁して欲しい」と思った。
 その時、この無謀な挑戦において最大の危機が、、、。

 最大の危機とは、、、ガキである。10人近くに囲まれたのだろうか。視界が悪いので把握できず。
 まず蹴りがきた。次にボディブロウ。「クッ、いいパンチ持ってんじゃねぇか」
 何で、文字通り見ず知らずのガキにボコられなアカンねん。鳩尾みぞおちに入ったときは、「親御さん、この子シバイて良いですか?」と本気マジで思った。

 周りの先輩方に何とか助けられ命拾い。
 私、本当は子供好きなのよ。誤解無きよう。。。


 人目につかない所に行って休憩。そして踊って、また人目につかない所で休憩。
 そんなこんなを繰り返し、いよいよ最後の踊り。最後の舞台は文字通り舞台。
 広場のちょっと上がったようなところで輪になって踊る。その周りには観光客が、、、
 メンバーは、100人ほどの団体。当然、全員上がれるワケではないので、順番に踊るのだが、私だけ、最初から最後までぶっ通し。。。

 「殺す気か!?」と思ったがしゃべってはイケナイ。
 もともと「目立ちたい」という私のワガママから始まった事なので、文句なんか言えるはずありません。


 踊った、頑張って踊った。そんな中、私にとっての悲劇が起こる。またもガキである。
 今度は女の子中心の踊子ちゃんたちです。県のマスコットを中心に、踊る子供たち。
 さぞかし、いい絵だったろうとは思いますが、こっちはカブリモノ、何度も言っているように視界が悪い。
 踏みそうでした。気を使いながら踊るのは大変です。阿波踊りって、ずっと中腰だから、意外とハードなの。


 いろいろありましたが、何とか無事踊り切りました。
 感想は大変でしたが、面白かったです。
 私の思い付きとワガママに付き合って頂いた諸先輩方には、とても感謝しております。
 通りを歩いていて歓声を浴びたり、握手や写真をお願いされる事って、一般人にはまず無い事です。
 良い経験をさせてもらいました。でも、素人がカブリモノを長時間するのは、かなり危険な行為である事も認識しました。
 カブリモノの中に入っている人は大変なのです。くれぐれも、蹴りなど入れないよう。。。。


管理者の意見,感想

 「無理言って被らせてもらった」って書いてるけど、おいらにゃ「体よくボランティアさせられた」にしか感じられんのだが‥‥。
 ちなみに、おいらも着ぐるみバイトを夏場にやった経験あるの。で、「どさくさに紛れて女の子に抱きつこうかな」とか初めは考えるんだけど、行動に移した事はありません。
 なぜなら、暑くてしんどくて、そんなことする余裕はないから。

by 神楽坂博


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