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投稿実験レポートNo.211-1
化け物海蛇を食べるとどうなるか?



投稿文章

●はじめに
  1. これは実験というより、僕の見聞結果報告の形になっています。
  2. 私の住む地域は日本ではありません。食人習慣のあった南海の島国、いわゆる人食い人種たちの末裔の国、と言ってもいいかも知れません。
    (今はほとんどクリスチャンの人のいいオンちゃんオバちゃん達だけどね…)
  3. 以下の内容は、私の見聞きした限り100%ノンフィクションです。


●今思うと必要だったもの
  • 好奇心
  • 適当な英語力と、もっと適当な現地語の能力
  • 愛すべき現地の皆さん


●事の起こり
 僕の勤める小さな病院に突如、症状不明の患者さんたちが団体様で押し寄せてきたのは、夜風も涼しさを増し、部屋中を這い回る蛙たちもようやく冬眠の準備のために姿を消した7月のはじめのことだった(と言うか、一昨日の事だけど・・・)
 なにぶん地域の小さな病院のこと、あっという間にベットの数が足りないほどの大騒ぎになってしまった。
 その時のDrの診断名は、”フィッシュポイズン”。
 まぁ、この国ではさして珍しくもない、いわゆる魚の毒にやられた、といったものだった。
 僕も、「ああ、村全体で可哀想に…」とは思ったものの、シガテラの中毒はさして珍しくもなく、棘魚に刺されるのも日常の一部であるこの島では興味を引かれる診断名ではなかった。
 しかし、よくよく話を聞くと、なんだかとんでもない全貌が明らかになってきた


●怪物
 僕の担当の話し好きのおばさんが僕に話すのを治療の傍ら聞いていたのですが、彼女はこう言っていた。(適当に日本語にアレンジしてあります)

オバちゃん 「だからね、あんなもの食べるとろくなことないのよ・・・」
「うんうん」
オバちゃん 「私なんか見ただけでぞぞぞっってなっちゃうわよ。」
「ふーん」
オバちゃん 「まったく、食い意地が張ってるというか何ていうのか・・・」
「まーねー」
オバちゃん 「あんなものを村中で丸ごと一匹食べちゃうなんて…」
「うんうん…って何?!
 オバちゃん、今、何って言ったの?
 丸ごと一匹だって?!」

 僕はとっさにベットの数を考えた。
 少なく見積っても子供を含めて10人はいる。
 いったいどんな魚を食べたんだ?
 僕の職域ではないとは言え、未知の生き物に対する好奇心は抑えようがなかった。
 そこで、僕はその生き物の正体を知るべく、聞き込みを開始した。


●正体
 聞き込みの結果、わかったことを以下に列記する。

◎病院スタッフからの情報
  • その巨大海蛇の名は現地語でダンベア。
  • 背骨周囲に「トキシン系」の毒素を持ち、かなり危険!(Dr情報)
  • 普通のサイズで、大人の腕くらい、大きくなると2m近くなる。
  • 今回のはちょっとでか過ぎる

◎当事者たちの意見
  • 村人たちが食べたのはどうやらその海蛇らしい。
  • しかも普通のサイズの海蛇じゃなく、とんでもなく馬鹿でかいやつらしい。
  • 濃い茶色で、太さは女性の太もも位、長さは3m弱だった(当事者3人に聞いた)。
  • 村の若者が銛でついて意気揚揚と持って帰ってきた。
  • 村人の15人でスープにして食べた。皆がお腹いっぱいのボリュームだった。
  • 味は鶏肉に似ている。スープには黄色い脂肪がたっぷり出て、めちゃうまかった。
  • また食べたい (←彼はぜんぜん懲りていなかった。。)


●結果
 今でこそみんな冗談になっているが、当時は地獄絵図のような有り様だった。
 みんな上から下から噴水のように垂れ流し、頭痛腹痛、全身性の虚脱、そしてとうぜん脱水症状‥‥。
 一時は、病院中からトイレットペーパーが消えるといったありさまだった。
 その上恐ろしいことに、昨日退院したばかりの二人が今日街中で突然パタリ、と倒れまた病院に帰ってきた。
 そして笑って点滴を受けている


●考察
 普段はあまり海蛇は食べないし、食べるときは中骨近くをごっそりとって食べるそうなのだが、今回は、
  1. あんまり大きいので、調理の目測を誤った。
  2. あんまり大きいのではしゃぎすぎた。
の2点が失敗だった様子。

 この国の人達は、ほんとに何でも食べる
 今回のことに限らず、大こうもり、やらウミガメやら、動くものは何でもいけそうな勢いだ。
 まあ、まだ昔人食べた事があるおじーちゃんとかに奥地にいけば会えちゃうお国だから、それくらいは悪食のうちにも入らないのかもしれないが…。
 失礼。彼らの食文化を指して悪食、と書いてしまったが、それはこの島で生きていく上で栄養を確保する重要な手段であろうし、立派な文化というべきなのだろう。
 そういう意味ではカニバリズムもある意味立派な文化と言えるだろう。
 しかし、僕は海蛇も人もご遠慮願いたい・・・。


●ここから得られる教訓
  • 南の海にはまだまだ不思議な生き物がいるもんだ・・・
  • 彼らのポジティブさを学ぼう!
  • それはそれとして、痛い目にあったら、そこから学ぼう!
  • やたらめったら、そんなモン食べるもんじゃない!


●おまけ
  • 人肉は本当においしかったのか?
  • 彼らに負けないくらいいろいろ食べてみよう(サメ、熱帯魚、シャコガイ、見たことのない南国の生き物、パンの実、虫たちetc…)
  • 人は素手でイノシシに勝てるのか?
  • サメに襲われたときの対処法
  • 人はほんとにハリセンボンを飲めるのか?
  • 素人でも遺跡の発掘ができるのか?
  • 超おんぼろ舟で嵐の海を越えてみよう!

 これらは、少しこのページの趣旨に外れる気もするのですが・・・。
 暇なときに原稿におろしてみようかと思っています。
 ではまた・・・。   


管理者の意見,感想

 なまこを初めて食べた人って、きっと彼らみたいな人だったんだろうなぁ‥‥。
 まぁそれはさておき、『おまけ』で挙げたテーマの数々、これらはすでに実験済み(調査済み)だそうです。
 ですから、実験報告掲示板とかに「これが読みたい!」って書けば、投稿してくれるかも‥‥。
 私個人としては、『超おんぼろ舟で嵐の海を越えてみよう!』が、面白そうな感じがする。

by 神楽坂博


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