レポート提出日 | : | 2002年6月12日 |
実験日 | : | 2002年2月中旬 |
レポート作成者 | : | 優樹 瞳夢 |
作成者のHP | : | 空想小説の箱庭 |
その乗っていた車は、平成3年式のスバルレックスです。
……が!
とにかく調子が悪い。
ってゆーか車自体めちゃくちゃボロい!
インマニのエアウォーマー・パイプ(※)が手作り。しかもなぜか厚紙製。
寒い日はキーを回して10秒でエンスト。
坂道でエンスト。
直線の長いバイパス道路でエンスト。
とにかくエンストの多い車でした。
外装なんかヘコんでて当たり前、色ハゲ当たり前。ゴムは劣化しきってます。
ってゆーか、今年平成14年。どうやったら、たった11年でここまで古くなるんでしょう、ってくらいボロかったです。
事件の日は今年に入って一番寒い時期で、たしか2月頃だったと思います。
千葉から神奈川へ帰るため、京葉道路上を首都高速方面へ向かっていました。
まっすぐな道の続く京葉道路を、ひたすら走っています。
さて、京葉道路はそのまま首都高速と繋がっています。一之江ICで道が2本に分かれており、首都高速に乗るか、そのまま一般道へ降りるかを選択できるようになっています。
当然、深夜ということもあって早く帰りたかった俺は、首都高速を選びました。
考えてみればそれが間違いだったのです(^_^;
首都高速は、京葉道路などのしっかりした道路と違い、東京オリンピックに際して突貫工事で作られた道路です。
なので構造はデタラメ、カーブは多い、道は狭い等々、あんましよく出来た道ではありません。
特に今回のケースではカーブというのがクセモノで、ところによっては『法定最低速度』を下回る速度ではないと曲がれないところもあります。環状線外回りから3号に移るところとか。
で、高速道路では直線で速度を出すのがマナーなので、俺も100キロくらいで疾走していました。
ところが、最初のカーブにさしかかり、速度を落とすためにアクセルを緩めた瞬間。
エンジンが止まりました。
急激な出力の変化についてこれなかったようです。
このときは、エンストなんか日常茶飯事に体験している俺は、慌てず滑空状態のままエンジンキーを回して再スタートさせました。
ちょうどこの日の前日は、富士山まで高速で行っており、そのときは帰ってくるまでに3回くらい『しか』エンストしていなかったので、それで充分だと思ったのです。
エンジンはかかりました。
ところが。
百メートルくらいするとまた止まりました。
速度がどんどん落ちていきます。
「(おやぁ?)」
と、そのときは大した危機感もなく、仕方ないので路肩に駐車させようと、ブレーキを踏みました。
………………。
……効かなくなっていました……。
………………。
えーと。
ブレーキというのは、重さ600キロ以上(普通車は1トン以上)もある鉄の塊を止めるため、大変な力が必要です。
人間の足の力だけでは到底間に合いません。(どれだけの力が必要かは、飛んでくる重さ1トンの鉄の塊を腕で受け止めてみれば気軽に分かります)
なので、いくつかの増幅装置を経由して、ブレーキを踏み込む力を増幅するようになっています。
その装置のうちの1つはエンジン出力の一部を利用する構造になっているので、当然エンジンが止まると働かなくなります。
急にブレーキが重くなるので、まるで急に効かなくなったような錯覚を覚えます。
ブレーキが効かない状態では、思ったとおりの場所に止めることもできません。
さりとて、エンジンが止まっているので速度もあがりません。
後ろからは時速100キロ以上の速度の出ている車が、ブンブン追い抜いていきます。
クラクションを鳴らしていく車もあります。どうやら暴走車らしき車も、レーシングカーのような速度で追い抜いていきます。
一応、ハザードをつけていたので衝突はしませんでしたが……マジ死ぬかと思いました(^_^;
運悪くガラの悪いやつに後ろからぶつかられてたら、たぶん冗談抜きで自動車ごと空中散歩とシャレこんでいたところです。
その後、エンジンを少し休ませて、ほうほうのていで一般道の方へ退避し、慌てずゆっくりと自宅に帰りました。
なお、その軽自動車はとうの昔に手放し、今は別の車に乗っています。
あんな車を売りつけた販売店も販売店なので、その店とは縁を切り、今の車ディーラー系の大手から立派なのを買いました。
『保険屋と交渉するときは‥‥』のくだりが妙に気になる。
by 神楽坂博
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