[<=] [] [↑↑] [=>]
投稿実験レポートNo.185
ショッピング枠を現金化の金券ショップにて実践!



投稿文章

●序章
 最近、街角で良く見る看板「ショッピング枠を即現金化」という金券ショップ。
 スポーツ新聞の求人欄等にも大胆にも広告を載せています。
 お金に困った時とか、これが本当ならば使えます。何せ、一括ならば金利はゼロですから。
 かかる費用は、金券を買う額と売る額の利率の違いだけ。
 私の予想では「店内で金券を買って、それをその場で買い取ってもらう。」という事。

 まぁ、人気の券ならば金券実額の95%ぐらいで買い取ってくれるハズだから実質利率は3%ぐらい?。
 でも、ここで疑問が1つ。「金券をクレジットカードで買う(売る)のは違法なハズでは?」
 も・も・もしかして暴さんですか?
 でも、それなら広告に載せる大胆な行動は出来ないハズ。
 んじゃ、金にも困ってる事だし(笑)行ってみましょうか
 という事で実験開始!

〜注意〜
 払えない額クレジットカードを使った場合は逮捕されます。
 あしからず。


●必要なもの
  1. クレジットカードのショッピング枠
  2. 実行者(今回はDon1人)


●実験
 まず場所を知らなければどうにもならないって事で、新聞に書いてある所へ片っ端から電話する事に。
 暴さんならどうしようという不安もあり、最後の数字が押せない事10秒間。。ついに決意して押す。
 トゥルルルル、、トゥルルルル、、、、(ドキドキ・・・・)
 ガチャ(ビク!)
「はい、○○です。」
 意外や意外。なんと電話に出たのは女の人。
 拍子抜けした私は普通に最寄り駅からの行き方を聞く。
「お待ちしております〜♪」
ガチャ。
 あっけないファーストコンタクト。
 未知との遭遇を期待していた私としては少しがっかり。
 他の所にもかけてみたがどこも対応は◎。うーん、実につまらない
 とりあえず、現金化してる金券ショップが何店舗もある都内某所へ。
 まず駅から一番近い1件目の店へ足を運ぶ。聞いた道順を辿ると怪しげなビル発見。
「(まさか、ここじゃねーだろう!?)」
と思いつつもビル名確認。
 あ、、ビル名が同じだ。
 中にはピンサロやらビデオボックスやら暴さんが絡んでそうな店が入ってるビル・・。
 不安な気持ちを持ちつつも恐る恐る店の入り口へ。
 なんと、入り口は曇りガラスのドア。

 うわー。
 こえーーーーーーー!!
 お化け屋敷に入る事さえためらう私にこれは酷すぎ
 でも、ここまで来て帰るのも男がすたる!。という事で、ドアを開けると店内は意外な迄にガラーンとしている。  というか、ショーケースが1つと机があるのみ。ショーケースには金券が2〜3枚入っているが、売っている気配は無い。

店員 「いらっしゃいませ。どのようなご用件ですか?」
 男の人が奥から出て来た。
 何処にでも居そうな普通の中年の男。
 容姿を見て安易にも不安を断ち切ってしまった私は早速お話を伺うことに。

「あのー。ショッピング枠を現金化というのを見たのですが‥‥」
店員 「それじゃ、机の前にお座り下さい」
 机の前のパイプ椅子に座る私を確認して店員が前に座る。
店員 「換金ですと、全て80%の買い取りになります」
は?

 なんじゃそりゃー!
 20%なら、そこら辺のサラ金と変わんねーじゃねーか!
 まぁ、話しだけ聞いて次の店に行けば良いか。と考えた私。

「あー。‥‥解りました。」
店員 「それじゃ、この紙にご記入下さい。」

 渡された紙には、氏名はおろか、住所、生年月日、職業まで書く欄が!!
 これを書いたら帰れない。一生、北朝鮮での強制労働生活だ。
 そう悟った。
 っていうか、誰でも思うわな
 更に追い打ちをかけるように店員がもう一言。
店員 「あと身分証明書をご呈示下さい。免許証で結構ですよ。」
 あ、ごめん無理。
 だって、免許証持ってるけど、番号とか控えられたら終わりでしょうに。
「あー。身分証明書持っていないんですよ。すみません。次回にします(笑顔)」
 ナイスアドリブ!
 営業で鍛えた丁寧な口調と笑顔で帰ろうとすると。
店員 「あ、別に良いですよ。本人なら(私を越える笑顔)
 うぇー!?おめーが免許証提示しろって言ったんじゃねーか!
 っていうか、要らねーなら最初から言うなっつーの。
 帰れねぇ・・
 こりゃ帰れねぇ
 ・・。
 悩む私。

 そして財布を見つつ、ちょっと苦しいアドリブが思い浮かぶ。
「あ!カードを忘れちゃいました(苦笑)。車から取ってきます。」
店員 「はい。解りました。」
 店員の笑顔が一瞬で消えてました
 っていうか、この手で何度も逃げられてるのでしょう。
 もちろん私もその1人。急ぐ振りして店を出て2店目にレッツゴー。


 歩くこと2分で2店目を発見。
 あれー?これってマンションですよ・・。
 とりあえず郵便受けを確認。確かに店名は合っています。
 がしかし、他の郵便受けの名前にも怪しい会社が2〜3社。
 っていうか、こりゃ鉄板出来レースで暴さんコースでしょう。私は裸でパレスチナに突っ込むような事はしません。
 という事で、無難に3店目にレッツゴー!(笑)


 3店目は割と新しい感じのビルの1室。見た目も過去2店舗と比べ安心出来そうです。
 しかし、入り口を見て安心は吹き飛びました。
 車に使うようなスモークが貼ってあります。
 しかも自動ドア。うかつにドアの前に立てばラウンド3開始です。

 気持ちを入れ直し、自動ドアの前に立つとこれまたビックリ
 中は1店目と殆ど同じです。というより、更に事務的になっています。
 店員も同じ様な感じで普通の中年。そして、驚きはこれだけではありません。
店員 「カードでの換金は全て80%での買い取りになります。」
 うぇーーーーー!?。マジ?
 お前等全員グルか?(笑)
 何処も同じと感じた私は、この店で実行に移すことに。
「はい。解りました。」
店員 「それではお座り下さい。」
 ショーケースの前に座らされる私。
 ・・あれ?ショーケースには金券が入っていません。
 何かカタログなようなモノと品物が置いてあります。早速聞き込み調査開始。
「あのー。このカタログと品物は何ですか?」
店員 「あー。これは気にしないで下さい。お客様には関係の無いものですから‥‥。」
「(え・・・。そんな危ないものなんですか。
 その件には触れないようにしますよ・・。)」
店員 「それじゃ、このお客様カードにご記入お願いします。
 あと身分証もご呈示お願いします。」
 ここまで一緒かよ!
 と思いつつも身分証提示だけは断るとまたもや同じ返答。
店員 「あー。無いんですか。でも本人ですよね?。それじゃ良いですよ。ご記入して下さい。」
 この店員・・もしかして1店舗目の店員が特殊メイクしてんじゃねーの?
「え、あ、はい。解りました。」
 こうなったら、デタラメを書くしかねー。
 よし、んじゃ名前は福沢諭吉とかにしようかな。
店員 「あ、カードの方を見せて頂けますか?」
 え?
 んじゃ、デタラメかけないじゃん・・・。
 しかし、ここで引いたら先に進まないと思った私は素直に渡す。
店員 「○○さんですねー。よろしくお願いします。では、カードをお返しします。
 あ、ご記入を続けて下さい。」
 私は一瞬で悟りました。
 この人達は私のような人種に慣れています。
 マニュアルあるんじゃねーの?と疑うぐらいに。
店員 「○○さんは、いくらをご希望ですか?」
 ここで50万とか言ったら漢なんだろうが、何もせず10万円損するなんて事出来るのは、よほど裕福な人だけである。
 そして、裕福な人間ではない私。
1万円で‥‥。」(照)
 弱い・・・
 弱すぎる私
 そんな私に無表情で店員が一言。
店員 「1万円のチケットは無いんですよ。」
「いくらからならあるんですか?」
店員 「そうですね。最低4万円ですね。」
 げ!
 んじゃ、8千円損するじゃん・・。
 8千円ならビデオデッキが買えるぢゃないですか。
「3万円からありませんかねぇ・・・?」
店員 (渋々)・・わかりました。それじゃ3万円のを探しましょう。」
 おもむろに店員が変なパンフレットを見てます。
 なんのパンフだか解らないのが不安で仕様がない私。
 そして、何やら紙に書き始める店員。それを凝視する私。
 異様な空気が流れる店内・・
店員 「これを持って、この地図の所に行って窓口に出して下さい。
 渡せば解りますから。」

 地図と変な紙を手渡されて訳がわからないまま店を出る私。
 まるで、初めてのお使いである。
 紙には○駅〜○駅。と書いてあり、更に私の名前、金額、一括払いという所にチェックがしてある。
 何となく臭い雰囲気を感じながらも地図の示す場所へ・・・着いて驚き!!
 某旅行代理店じゃないですか!!!
 知らない人居ないっつーぐらい大手の・・。

 入り口の案内人に「これ、渡せば解るって言われたんですが。」と言って、紙を渡す。
案内人 「あ、はい。あちらの窓口で承っております。」
 私は案内人から、ギフト、切符等書いてある窓口を紹介され、その窓口で紙を渡す。
窓口の人 「はい。新幹線回数券ご購入ですね。
 カードの方よろしいですか?」
 ここで全てを悟った私
 新幹線回数券を買ってそれをあの金券ショップで売るっつー訳ね。
 そして、あの変な紙は旅行代理店の記入用紙だった訳。
 なんてこった。こんなトリックだったなんて。
 ここで辞めて帰るのもアリだが、バカ正直に書いてしまったお客様カードを思い出して帰れない弱い私。
 カードを渡して暫し待つと名前が呼ばれ、6枚綴りの回数券を手渡され、カードの署名をさせられる。
窓口の人 「ありがとうございました。」


 6枚綴りの回数券を店に持ち帰ると、何と店員は既にお金をショーケースの上に置いて待っているじゃないですか!
店員 「商品の方確認させて頂きますねー。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
店員 「はい。それではお金の方こちらになります。ありがとうございます。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
 無言で店を出る私。
 あー、夜風が身に染みるぜー。と思ったかどうだか。
 約6千円で、貴重な体験が出来たと思ったら安い。
 うん。良い体験が出来たなー。
 ・・・・と、自分に言い聞かせ帰途に着く私でした


●結論
 現金化をうたってる金券ショップ全てがこうとは限らないと思います。
 が、何かあると思って間違いなさそうです。
 向こうも商売ですから当たり前かもしれないんですけどね。安易に考えない方が良さそうですね。
 ただ、金に相当困ってる人にとっちゃ良いかもしれません。
 金融関係に履歴が残らないし、安心出来るし。
 ただし、自分で回数券買って売った方が遙かに高金利で売れます。  要は、手順が確立してるかどうかですから。
 ちょっと不思議に思ったのが、旅行代理店の記入用紙に金額まで書いてあったこと。
 普通、買うときに金額まで書いて渡しますかねぇ?
 裏で何らかの取引があるような無いような。。

 まぁ、私みたいに弱いパンピーが突っ込むところじゃないところという事で結論へ(笑)。

  • 安易に考えて実行に移すのは危険。
  • 店員はやたら親切。
  • 自分で買って売った方が得。
  • 金融関係に履歴を残したく無い人以外はやらない方が無難。
  • 実行した後、夜風が身に染みる。

 ちなみに、返せない額をクレジット会社から借りたら告訴され詐欺罪で逮捕されるので注意を。
 後日ネットで調べたところ、過去にそういった犯例が幾つもあるようです。



管理者の意見,感想

 Donさんが最初見たのはこんな感じの広告だろねぇ。
 しかし、金券ショップでの買い取り価格をざっと調べてみたところ、たとえばサンコスモじゃこんな感じ
 『【収入印紙】は特に高く買います。(94〜98%)』ともあるし。
 だいたい他の店もおんなじ感じ。
 ってーことは、かなりのボッタクリにあった訳ですな。
 しかし、こーなることを分かっていながら実験を行ったあんたはすごい!
 実験人として尊敬します。
 おんなじことをしようとは全然思いませんが‥‥。

by 神楽坂博


前のレポートへ 実験レポートのもくじへ トップページへ 次のレポートへ
inserted by FC2 system