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投稿実験レポートNo.128
夜中にヒッチハイクは可能か?
〜本州最北端の場合〜




投稿文章

 事の起こりは北海道函館市在住のわたくしエゾヒグマが、お休みの日朝7時に起きて「青森に行きたい」?と思ってしまったことでした。
 一切の準備なしでフェリーに乗って青森県大間(下北半島の北端)ゴー!
 青森は大間についたらレンタカー借りて恐山まで行くんだ。
 イタコがおいらを待ってるぜー!

 で、大間に到着。
 あれ?、この荒野はなあに?
 フェリーターミナルがあるのに、過疎の寒村なのですか?

 まずは何か食べ物でも買いに行きましょう。
 ついでに店員のお兄さんに聞いてみましょう。

「レンタカー屋はないですか?」
「うーーむ、むつまで行かなきゃないですねぇ。」
 むつ?
 どこ?
 ほう、ここから60km離れた町ですか
 ほう、恐山のある町ですか。 ・・・(T_T)

 気を取り直して、むつまでどう行けばいいかを尋ね、バス以外の交通手段がないことを教えてもらう。
 そしてバスの時間は3時間後‥‥
 じっとあんぱん食べながら待つ。

 むつ市に到着して恐山行きのバス、その名も『念仏号』に乗り換え、やっとの事で恐山に到着
 時間は午後4時30分。
 恐山から町に帰るバスの最終時刻は午後4時50分。
 ‥‥20分しか無いやん!
 でもー、温泉にも入りたいしー、ゆっくり地獄巡りもしたいしー、
 もうどうにでもなれってカンジーY

 やけくそで、ゆっくり温泉につかり、ゆっくり恐山見物して、徒歩で14km離れた町まで帰ることにする
 とぼとぼとぼ・・・

 恐山って山なんだよね。
 町に帰る道は心臓破りのアップダウンが続くんだ・・・。
 しかも日本有数の霊場なんだよね。
 道の両脇にお地蔵さんや仏さんがびっしり並んでるんだ・・・。

 そして今は晩の6時30分。
 街灯も無い道だから真っ暗い中、月明かりにそれらが浮かんでるんだ。
 うふふふふふふ。
 うふふふふふふ。

 あ、ひとつ実験できちゃったY
 題して、

人間は恐怖の限界を超えたらどうなるか?

●結果 :笑う


 泣き笑いで30分ほど歩きつづけて、親切なオジサマが「町までのってけ」と車を止めてくれたときは涙が出ましたよ
 むつ市バスターミナルに到着して、「さてこれから函館に帰えらなきゃ」と時刻表を見る。
 と、“そこには信じられない光景がっ!!”

大間行き最終バス:4時50分

 オイラ明日仕事だよ・・・。


 北海道に帰るんだからとにかく北上しましょう
 大間までの中間地点まで行くバスがございました。迷わず乗り込む!
 イェーイ、大畑についたぜーっ!
 …って大畑ってどこやねん?

 あ、道路の看板に大間って書いてある。
 なになに、大間まで34km
 もっと北上できるバスは出てないかなー?
 って、何でバスターミナルの電気が消えるんじゃ。

 あれ?建物のカギまで閉めおった。
 いいもん!
 歩くもん!
 ぼくもう大人じゃけん、一人でできるもおん!
 (大人はこんな無計画にうろちょろしない)

 とりあえず北に向けて歩くこと30分。目の前に現れたのは『峠!』


「父さん、また山ですよぉ」
五郎 「歩くしかないですね」
「文明人のすることじゃないですよ!」
五郎 「でも、歩くしか方法がないから歩くんです」

♪ああ〜あああああ〜あ〜、ああ〜あああああ〜‥‥


 山頂って看板が立ってらあ。
 へえぇ、眺めがいいなあ。
 水平線のあたりに見えてる明かり、あれが大間なのかなあ?

 結局、またしても電灯一つない峠を2時間近くかけてクリアいたしました。

 この時点で時刻は午前0時を過ぎておりました。
 寒いし、暗いし、目的地は?

♪すーいーへーいーせーんのおわりにはあああーーー♪

 ってなぐらい遥か彼方にあるし、こいつはヒッチハイクかな?、と心に決めて、よっしゃ早速車発見だっ!
 親指を上げて、ヘーイ!っと…。

 出来ん!

 シャイなおいらにはたった親指を上げるだけのことが出来ん!

 しゃーない、後20数kmをとぼとぼ歩こう…。
 ちょっとした集落を通り過ぎて、あたりからまたも電灯が消えた。

 また峠だ!
 その瞬間おいらの頭の中で何かがはじけた

 おぉ!ちょうど車がきた!
 意を決して深夜1時30分のヒッチハイクだーっ!

 親指立てて、ヘーイボーイ!

 …そりゃそうさね。
 夜中の1時30分に暗がりに立ってる男、タクシーだって乗せないさね。
 行っちゃった。

 あれえ?、遥か彼方に止まってらぁ、今の車。
 最後の力を振り絞って走れメロス←違う

 車のところに行って、おもむろに車のドアを開けようとすると、ドアが開かない。
 5センチほど窓を開けて「どうした?」とおっちゃんはおいらに尋ねた。

「最終バスが行ってしまって、しょうがなく大畑から大間まで歩こうと思ったんですが、ここで力尽きたのです…」

 おっちゃん大爆笑しつつ「俺も大間まで行くから乗れ。」と快く車に乗せてくださいました。
 なんでも道中聞いた話ですと、下北半島の交通事情を理解せぬままにふらふらと旅行にやってきて、立ち往生するあほちんが後を絶たないそうで、おいらの事もそんなこったろうと思って車を停めてくれたそうです。
 おっちゃん、その通りさ!

 でも、深夜の暗がりで親指立ててる27歳男一人、ものすげく怖かったでしょうに止まってくれて本当にありがとう。


 ちなみにその後ももう少し事件が続いたが、それは次回の講釈で‥‥。


管理者の意見,感想

 ヒッチハイク成功して良かったね〜。
 でも、個人的にはこのレポートよりも、
『冬山臨死体体験ツアー
〜恐山でトランス状態になれば素人でも憑依可能か?〜』
を見たかったなぁ。
 次回は是非頑張ってね〜!

by 神楽坂博


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