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投稿実験レポートNo.120
「安かろう悪かろう」の限界に挑む。床屋編!




投稿文章

●実験動機
 もう一つのレポートでネタにした吉野家西明石店ですが、ここの近所に調髪,洗髪,顔剃、全部併せて850円という破格の値段床屋さんがございます。
 存在自体はかなり前から認識していたんですが、以前1500円の店で、「安かろう悪かろう」の悪夢を体験しており(コワモテでガラの悪い従業員ばかりで暴力団の資金源、若しくは元ヤン・元極の更正施設のような店だった。しかも雑で下手)どうしても気が乗らず敬遠しておりました。
 しかし、
  • 吉野家ネタがあまりにも不完全燃焼だった。
  • 現在重度の金欠で生活が苦しい。でも髪は伸び放題。
  • 芸人魂。
 という理由により、あえてこの店に挑んでみることとしました。
 一応知人に2名ほど経験者がおり、話を聞く限りでは命に別状はなさそうですが、どうなることやら…。


●用意する物
  • 人間(オレ)
  • 散髪代¥850
  • ボサボサに伸びた髪の毛
  • 勇気(無謀さ加減とも言う)

 今回はネタの都合上、お店の名前は非公開、ということで一つ。すみません。
 近くにお住まいの方はきっとすぐ気付くでしょうが。


●実験
 さて、千円札一枚を握り締め例の店へと向かいます。
 その店は地下街の一角にあるのですが、その地下街というのが、居酒屋はまぁいいとして、バーやらスナックやらがひしめきあっている、なんともいかがわしい物であり、その時点でUG臭ビンビンでありました。
 散髪に行った時間は勿論昼間なので殆どの店がシャッターを閉めている状態ですが、その重い鉛のような風景がまたこの上ない威圧感をかもし出しておりました。

 引き返したいのを我慢してその店が存在する地下街の中央部へ歩を進めます。
 そこでまず出迎えてくれたのが、床屋さんではお馴染のグルグル回るアレと券売機。そう、よく大衆食堂の入り口なんかでよく見かけるあれです。
 券売機上部を見ていると「理容券」などと記されております。

「なるほど、これならお会計の手間が省けていいわな」
と心の中で呟きながら札を突っ込み、ボタンを押し、出てきた「理容券」と印刷された紙切れ一枚、そしておつりの小銭150円を取り出します。

 中に入ると、そこにいたのは先客2名と従業員2名。
 従業員は見た目は特に何の変哲も無い普通のオッサン達でした。
 残念(何がだ)。

 勝手が分からず立ち尽くしていると、オッサンの一人がこちらの存在に気付いたと見え、何も言わず一角を指差します。
 そこにあったのは無造作に置かれた丸椅子と灰皿たち。

「(ちゃんと待合用のソファーがあるのに何故…)」
 納得いかないながらも指差された一角へ向かいました。
 とりあえずこの時点で、ここの従業員達は無愛想である事と、煙草の吸い過ぎで喉が潰れている事が判明いたしました。

 待っている間することが無かったので店の内部を観察。
 敷地面積は散髪屋にしては広い方だったと思います。
 かかっているBGMはオードソックスにAMラジオでした。
 床だけは清掃が行き届いており光り輝いていましたが、壁は煙草のヤニで黄色く染まっているし、 縦横無尽に蝿が飛び回っているし、エアコンはホコリまみれだし、ハサミやら散髪用の櫛やら洗面台やらに誰の物だか分からない細かい毛がビッシリと付いていたりするところを見ると、どうも衛生面は決して良好とはいえないようです。
 この辺りから更にオレの不安はつのりだします。

 先客が1名帰り、オッサンが先ほどのように何も言わずオレの方を向いて散髪用電動シートを指差しました。
 この頃にはオレにもこの店独特の空気が分かってきていたので、オレも特に何も言わず、先ほどの紙切れを渡し、席につきます。
 で、

「どうするんや?」(タメ口)
とやっと言葉を発したので、
「さっぱり短くお願いします」
抽象的極まりない注文しちまいました(今思うとこれいけなかった…)

 バリカンで豪快に髪をそぎ落とし、豪快に顔を剃り、豪快にシャンプーを済ませ、顔に何か塗りたくられて…
 この間オレは生きてる心地がしませんでした。不安で。
 まるでショッカーに怪人に改造されつつある民間人の気分です

 さて、なんとか表向きは無事に終りましたが、開始から終了の宣告を受けるまで(実は正確に測ってませんでした。惜しいことをした…)わずか20分弱でございます。
 み、短ッ!!
 ちなみにオレを担当していたオッサンはこの間終始無言
 やっぱり愛想あいそねぇのな。

 で、完成した髪形なんですが…、なんとこれが普通のスポーツ刈り!!
 ぬあああああああッ、なんてこったぁ!!
 これじゃあそこら辺のオッサンじゃないかッ!!
 激しくうつになりました。

 しかし、悲劇はこれで終りません。
 こんな頭ではオモテを出歩けそうに無かったため、とにかく何か頭を隠す物を購入しようと近くのファッション街へ向かう途中のことだったんですが。
 何となく頭を掻いて、手を見ると…、細かい髪の毛の残骸がビッシリとついてるんだね、これが。
 「は、ハメられた!!」
 あの豪快なシャンプーは一体なんだったんだッ!?
 勿論家に帰ってからシャンプーし直したのは言うまでもありません…
 ダブルで鬱になりました


●結果
  • 一応普通に散髪は出来たが、決して良い腕であるとはいい難い。
  • 従業員は得てして無愛想なオヤジばかり。
  • カミソリ負けなのか、顔が今もヒリヒリします。
  • しかもよく見たらザックリ顔斬られてました
    鬱でターキー達成!
  • バンダナ購入いたしました。
  • とりあえずこの店は「安かろう悪かろう」の典型例と見て間違いないだろう。
  • 西明石には探せばまだネタがありそうだ。


●追記
  • 「ただ髪の毛を切りに行く」事だけが目的であるのなら別にいいですが、ちゃんとお洒落にして頂きたいのであれば、やっぱりちゃんとしたお店にいかれることをお勧めします。
     美容院は少々値が張りますが、いろいろ相談に乗ってくれるし細かいオーダーにも出来る限り応じてくれます。
     床屋で済ませるのであれば、オシャレで愛想のよさそうなお兄さんがいるお店を選びましょう。
     今回のようにオッサンしかいない店は避けた方がよいです。
     (勿論安くてもきちんとしてくれるお店もあるし、その逆の可能性の方が高そう)
  • この辺りは理容業の激戦区なのか、かなり狭い範囲に床屋・美容院が集中していたように思えました。
  • また写真用意できませんでした。申し訳ないです。


管理者の意見,感想

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by 神楽坂博


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