レポート提出日 | : | 2001年3月1日 |
実験日 | : | 2001年2月1日 |
レポート作成者 | : | しだれ桜 |
2月2日、0時44分。
南越谷のホーム。
私、しだれ桜は少し考え込んでおりました。
『どうやって家に帰ろうか?』と。
自分の乗っていた最終列車は南越谷で回送となり、反対側の列車は10分前に行ってしまいました。
ここが一番の問題です。
南越谷ってどこ?(南越谷の方すいません)
生まれた初めて下りる異境の地!
こちらに越してきて1年以上たちますが、はっきり言って南越谷なんて土地に出向く用事なんてありません。
そもそも南越谷って、どこだ!!(くどいですね)
‥‥と言うわけです。
こうなった以上、腹をくくるしかありあません。
っというわけで、実験だ!!
このような深夜に猿岩石のまねごとは可能か?(要はヒッチハイク)
ちなみに始発まで待って電車に乗るとう言う発想は却下です。
何故?
面白そうだったから・・・。
一応、下記のルールを決めました。
用意するもの。
さて、南越谷の駅員さんに、新松戸方面はどちらか伺う。
だって、右も左もわからないもん。
話によると、途中で橋があるのでそこら辺は線路沿いに歩くことは不可能だとか。
下記は、駅員さんと私との貴重な会話(ちなんで携帯電話のメモ機能を使って録音、一部抜粋)
駅員 | 「タクシーを使ったらどう?」 |
しだれ桜 | 「(金がありゃあ、やってます)」←心の声 |
駅員 | 「始発まで待ったら?」 |
しだれ桜 | 「(それでは面白くないです)」←心の声 |
駅員 | 「いて帰ったら五時間以上かかるよ。始発を待った方が利口だって」 |
しだれ桜 | 「(これは私に対する挑戦ですね)」←心の声 |
この瞬間、私の心の中に新たな闘志が沸いてまいりました。
始発電車が走るまでには家に帰ってやる。
いかんなぁ・・・。
自分の好戦的な一面を知る。
0時50分、駅員さんの「がんばれよ〜」という激励を背中に受けながら、ただ黙々と歩き始める。
しゃれの分かる駅員さんでした。
ロータリーはタクシーが集中しているので、ここらへんでは手を上げません。
しかし、タクシー待ちは凄い行列だ・・・。
金さえあれば、ううっ!!金さえあれば!。
袖に涙をそっと染み込ませながら行列の横を通り過ぎる。
極力線路沿いに歩き始めるが、やがてそれが出来なくなってくる。
ちなみに1時10分。
ヒッチハイクの獲物発見!
右手を挙げてGO!!
あっさりと無視される。
まあ、冷静に考えれば、こんな深夜にヒッチハイクするヤツなんてバリバリあやしいわな。これは早速、路線変更か?
その瞬間、心に電波が届く!
「立つのよしだれちゃん。
貴方をこんなあきらめの早い子に育てた覚えはありません!!」
ビシイ!!!(張り手を食らう音)「ごめんよ、ママン。ボキが悪かったよ。
あきらめずに右手を挙げ続けるよ、ママン!」
心の中でママンに張り手をくらい、やる気を取り戻す。
ちなみにどの道路を歩いているのかも分からず、獲物が通るたびに手当たり次第右手を挙げ続ける。
1時25分、14台目に無視される。(車は結構走ってます。ちなみにタクシーはその倍近く走ってます)
素直に言うと、こういうハイになったときの自分の精神状態を見てみたいと思って馬鹿をはじめたのもありましたが、開始40分で寂しくなってきました。
こう言うときは、携帯のメールを打つに限ります。
幸い、深夜に起きている友人に心当たりが。
この様子だと、車は止まりそうにない。
そら、深夜だもんねぇ・・・。あやしいに決まってる。
寂しいので、さくっとメールを打つ。
ちなみに電話は却下。
このチャレンジは長丁場になりそうなのと、先が見えない挑戦なので、バッテリーがなくなったら元も子もない。
これだと今の心情をメモとして残せるし、どこで何をしたかの細かい履歴も残せる。
実にスイナで有意義な思いつきである!(つきあわされる友人はいい迷惑ではあるが)
1時30分、メールスタート
しだれ桜 | 『お〜い、今暇?』 |
友人G | 『暇だけど、なんで?』 |
1時37分
しだれ桜 | 『かくかくしかじか(説明が長いので省略)と言うわけだ』 |
友人G | 『おめでとうございます』 |
道連れもできたので、とにかくひたすら歩く。
一時四十五分
しだれ桜 | 『今、新三郷って駅を通り過ぎた。 チャリを盗む奴の気持ちが分かった』 |
友人G | 『いっそ盗めば?』 |
友人Gのメールを横目で見ながら、自分を戒める。
たしかに自転車という者は便利な道具であることを再認識。
さすがになかなか獲物も通らなくなってくる。
ライトの明かりが目に映るたびに右手を挙げようとするが、タクシーの方が多くなってくる。しかも、だいたい誰か客が乗っている。
さすがに空車で走るような道ではないらしい。
深夜だもんねぇ。
分かっていたけど、車は止まりません。
昼間でさえヒッチハイク出来るか否か分からないわけです。
こんな深夜じゃ、誰も止まらないわなぁ。
とにかくひたすら歩く。
堤防が眼前に迫ってくる。
2時16分
しだれ桜 | 『キャッホー!! 江戸川越えて千葉に入ったです』 |
友人G | 『おお、さすがです』 |
しかし、いいかげん書くネタがなくなってくる。
ビヴァ 歩きづめ!
ビヴァ ヒッチハイク!
車は止まりません。
いやーっ東京って冷たいわ。(東京が冷たいわけではないです。こんな深夜に人を乗せるようなお人好しは、そうそうおりません)
京都なら、きっと車は止まっているはずです。(京都でも、そんなお人好しはいないでしょう)
実験レポートって読むのは楽しいけど、書くのは結構難しいことを知る。
神楽坂さんって毎月苦労しているのね。
ところで、いいかげん足の裏に豆が出来て痛いです。
橋を渡り線路そばに寄ることが出来ないまま、ひたすらに道に沿って歩く。
千葉に入ったとたん、車の通る量が減る減る。
‥‥っと思っていたら、族車が通る。
右手を挙げてGO!!
勘弁してください。
流石にできません。
族車は勘弁してください。
ここで右手を挙げたら勇者なんだろうなぁ・・・っと思う私の横を族が団体様で通る。
ごめんね。チキン野郎で・・・。
しっかし、族なんて、前世紀の遺物がまだいるんだね。
若いなぁ。
寒くないのか?
その後それらしいイベントも盛り上がりもないままに視界の中に見る人を「ほっと」させる看板が目に飛び込んでくる。
ローソンの灯りがこんなに愛しいと思えたことはないです。
歩きづめで、のども渇いておりましたので、温かいお茶を購入しがてら情報でもらいましょう。
心の中で、「ボケなさい」という命令電波が届くが却下!
ちなみに2時46分。
バイトさんと私の会話(駅員さんと同じくメモ機能を使って録音、便利です)
バイトさん | 「少し戻って(戻るの?)十字路を右手に行って高架橋を渡って最初の角ある7/11を右に曲がる。後はひたすらまっすぐで目的地の駅にですよ」 |
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バイトさん | 「車なら二十分もかからないし、歩きならだいたい、一時間ぐらい」 |
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多分駅員さんは、歩いたこと無いから目算で時間を上げたわけに違いない。
普通は歩かないもんね。
けして乗車率の高くないい武蔵野線に、一人でもよけいに人間を乗せようとして狂言を吐いたわけじゃないと思う。
邪推をしながら友人Gに連絡。
2時48分
しだれ桜 | 『ローソンで情報をもらう。後1時間弱?』 |
友人G | 『10kmぐらい?』 |
2時50分
しだれ桜 | 『もうちょっと短いかな?』 |
友人G | 『あしたきついだろうね』 |
2時52分
しだれ桜 | 『足が痛いだろうね』 |
友人G | 『もう年だし』 |
2時54分
しだれ桜 | 『あんたもね』 |
友人G | 『やっぱ「オマエモナー」でしょう』 |
2時55分
しだれ桜 | 『なにそれ?』 |
友人G | 『知らないの?』 |
Gから説明を聞く。
この瞬間Gが、2chネラーだと知る。今まで知らなかった。
やはり、道連れがいるのはいいことである。
一人だとこれほど空しいことはないだろう。
3時を越えた時点で、完全に車は通らなくなっている。
はっきり言って当初のチャレンジとまったく違った方向に進んでいることに気がつく。
結論から言うと、昼間でも難しいであろう都会のヒッチハイクを深夜でやろうとする事が無謀なのである。
本気でやるのならば、『一ヶ所でとどまって動かずにずっと右手を挙げ続ける』ぐらいの事をしなければいけないわけだ。
それでもヒッチハイク成功率は、0に近いだろう。
今回は、それを分かっていて、歩きながらヒッチハイクということにした。
理由は、少しでも早く家に帰って仕事をしなければいけないと言う焦りからであろう。
3時5分
しだれ桜 | 『坂川を越えてゴールまで約20分?』 |
友人G | 『おおっ、あと少しですね』 |
だんだん知っている店が増えてくる。
家の近所にあるミニストップで甘いものと食事を購入、これから仕事にかからねば。
3時20分
しだれ桜 | 『ゴォォオル!!』 |
友人G | 『おめでとうございます』 |
Gにつきあってくれた礼を述べて『えんいー』とメールを閉めた。
とりあえず始発前に家につくことが出来て、個人的にはご満悦であった。
さてっとばかりに、打ち合わせでもらってきたファイルを広げるとデーターが破損していて原稿が書けないことが判明。
慌ててメールを出すも、深夜なだけにレスは即座にこないことは間違いがなかった。
慌てて疲れて帰った自分が馬鹿みたいでした。
あと、今回のことで人の距離感に対する認識の甘さと言うことを知った。
実際歩くことなど無いから、推測で語るわけである。
南越谷の駅員さんは5時間はかかると言ったが、実際は3時間もかからなかった。
自分も5時間と言われて素直に信じていたわけである。
ローソンのバイトさんも1時間と言っていたが実際は30分でついたわけだ。
乗り物を多用しているととくに時間と距離に対する認識が甘くなってくる。
だからと言って歩いて確かめてみる。というわけにはいかないだろう。
そんな時間的余裕や精神的理由が、そこに存在しないからである。
実際交通の便は発達しているこの都会では、あえて歩く必要もない、また街は歩くには大きすぎると言う事実もある。
そのことを認識するという意味でもそれなりに有意義なチャレンジであったかもしれない。
精神状態的には、誰かに愚痴を言うという依存状態にあったから、本来の精神状態をはかることは出来なかったが、夜だからかなり不安になっていたのは間違いがないだろう。
昼間だったらメールを打つこともなく、歩ききったかもしれない。
また、何かあったら試してみるのもいいかなっとも思った。
ちなみにHTVの『水曜 どうでしょう』ならともかく、某NTVの某番組はまちがいなくやらせであると決定!
ヒッチハイクで車が止まるか!!(本当か?)
ちなみに、合計43台に右手を挙げて全てに無視されました。
無視してくださった方々、ありがとうございます。
いつか呪ってやる!(苦笑)
ヒッチハイクされた方は「タクシーと間違えて手を挙げてる」って考えてしまうってのは考えすぎ?。
いろいろと書かれてるけど、しだれさんが一番言いたかった事は、 『実験レポートって読むのは楽しいけど、書くのは結構難しい』
って部分でしょうね。そうだよね。 そうだと言って、しだれさん!! そうでなければ、言いたいのはここか。 『南越谷ってどこ?』 by 神楽坂博
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