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投稿実験レポートNo.021
学校に樟脳しょうのう臭、激キツの服を着て行ったらどうなるか?




投稿文章

 街で時々すれちがう、キッツ〜イ香水の香りを漂わせているヒト。あなたはそんなヒトに殺意を覚えませんか?。
 ならば、香水を上回る、あの「タンスにゴン」な樟脳しょうのうの匂いを漂わせたらどうなるか…。

 周囲の反応は?
 友達は友達のままでいてくれるのか?、先生はどう対処してくれるのか?、今後もその学校に通学していくことは可能かどうかを、友情の崩壊をかけて実験してみました。
 ってゆうか、実験させられた…、母親に。
 以下にその時の様子をレポートしてみたいと思います。


●条件


●実験内容,結果

 ある寒い日の朝のことだった。
 その日は私の通う小学校の終業式の日で、母は私に一年間、ずっと樟脳12個に守られてタンスに仕舞われていたビロードの服を差し出した。

「…お母さん、これ…、着て行かなきゃならないの?」
「そおよ〜?。今まで一度も着て行ったことなかったじゃない。着て行きなさいよ」

 この時点でその服は、「おまえの鼻を破壊してやるゼ!」と言わんばかりの、キョーレツな悪臭を発散している。

 子供心に「コレはちがう」と激しく思うワタクシ。
 一方、「子供に言うことを聞かせるためなら、日本列島だって沈めてみせるワ」という我が母。
 彼女はこれまでも、小学生の我が子にあずき色のスカートをはかせ、子が泣かされて帰ってくるという出来事を体験している。しかし、子供のためなら樟脳臭い服を着せることさえかまわない。  彼女は樟脳を「タンスの香水」と豪語しているのだ。  結局、私は泣きべそをかきながら樟脳の匂いを漂わせて、学校に行かされたのだった。


 私の友人たちは朝から誰もあいさつに来なかった。みんな遠くで私を指差し、カナシげな顔をしている。
 泣きたいのはこっちだよ!。だが、私は誰にも迫害されることなく、無事に終業式を終えることができた。
 後はホームルームの時間である。
 私はいつものごとく、ぼんやりして昼飯のことなどを考えていた。
 まさにその瞬間である。
 いきなり私は担任のM先生に氏名されたのだ。

 
先生 「山田さん(私の名前、仮名)、起立してください」
 
 びっくりして顔を上げると、ホームルームはいつのまにか、学級会になっていたらしい。
 そして、私をいたわるようなM先生の眼差し。クラスメイトの視線。
 
先生 「山田さん、…起立して。ちょっと立ってくれないかな?」
 
 しまった…話を聞いていないのがバレたか?
 私がおそるおそる立ち上がると、目の前には異様な光景が広がっていた。
 黒板には
 
山田さんの服のにおいについて
 
 と、でかでかと書かれている。
 何が始まったのかわからず、立ちすくむ私。同時にクラスメイトたちは一斉に議論を再開した。

Yくん 「やっぱりヤマダさんの服はくさいです。迷惑だと思います。」
Eさん 「私も同じ意見です。」
Tさん 「でも…ヤマダさんがかわいそうだと思います…。」
Kくん でも異常にタンスくせーよ!

 …どうやら学級会のテーマは、“私の服の樟脳の匂いについて”…だったらしい。

 呆然とする私に先生は戸惑い気味にたずねた。

 
先生 「…山田さん、どうしてその服を着てきたのかな?」
 
 私は呆然としながらも…答えた。
 
「あ…あの、お母さんが…この服着てけって…。」
 子供たちの非難の眼差し。

 その後も学級会は「山田の服の匂いについて」で進められ、やがては

 
 そんな服を着てくるヤマダの人格について
 ヤマダのおいたち
 ヤマダの日頃の行動
 
 にまで、発展していた…。
 なおも呆然と立ち尽くしている私に、M先生は語り語りかけたのだった…。
 
先生 「山田ぁ…でもな、俺はその匂い好きだぞ?なあ、みんなもいい匂いだと思うだろ?」
 
 と。
 子供たちは「よくない!!」と口をそろえて怒鳴り、やがては隣のクラスの先生までも見学にくる騒ぎとなった……。


●結論

 樟脳くさい服を着てはいけません。人格が歪みます
 私はあの時のトラウマをいまだに抱えて、生きています。
 そして我が母は、
 くさいって言われたの〜?やーねえ、子供って素直じゃないから、いい匂いだって言えないのよー
 と笑い飛ばし、その後も「母の愛たっぷりの樟脳服」を着せてくれたのだった…。


管理者の意見,感想

 (^Q^)/""ギャハハ。
 笑った、笑わせてもらいました!
 いやー、しかし生徒の服の臭いを学級会にかけるなんざぁ、なかなか民主的な先生やないの(笑)。
 あと、本人の目の前で「そんなこと言ってはいけないわ」って言うお約束なヤツって、クラスに絶対いるのね。

 今回もどー見ても「実験」じゃなく「体験談」だけど、そーゆー区別はしません。
 面白い話がある人は、とりあえず形式だけでも実験風にして送って来てくださいね。

by 神楽坂博


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